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夏の海の純情

私の部屋から車で2時間。
着慣れない水着で砂を踏み手を引かれ
大して青くもない水の上に浮かぶ。

「ジェットスキーに乗ろう」と言うキミ。
そうね、こんな気持ちになったら
そういうことに挑戦するのもいいかもね。なんて
カマトトぶった私の小さい胸がいつもと違う鼓動を打つ。
キミの背中は冷たい。
この乗り物から降りたら次はどこに行くんだろう
いつもの悪い癖

日焼けした肩と頬に追い討ちをかけるシャワーの温度
着替えるヒマも惜しい。
1日何も食べなくても平気。
1日中ここにいても平気だよ。
思い出としては極上だから
多分一生分のせつなさをキミに捧げるよ
だから、さびしいなんて言わないで。

2006年11月03日 未分類 トラックバック(0) コメント(0)

なぜやもりは死んだのか

南向きのベランダの窓の前に小さくて黒いモノが落ちていた。
いつもなら床に落ちてるものの存在など
掃除するときぐらいしか気にしないズボラなのだけれど
よく見るとそれは、まだ小さい赤ちゃんヤモリだった。
死んでいた。

赤ちゃんヤモリ、どうしてそんなところで息絶えた
私は思わず手のひらにその小さい亡骸をのせ
わかるはずもない死の原因を調べようとした
そしてこの子をどこに葬ろうかと考えた
この小さい子がどうして私の家で死ななきゃならなかったのか
こんな南窓の前で最期の時
何を見てどんなふうに死んだのか
小さいヤモリの見た風景を想像した
そこには狭いベランダといくつかの鉢植えと
晴れの日にはまるでバカみたいに降り注ぐ太陽と
それぐらいしかない

ヤモリを白い紙に包んで
私は部屋を出た
この子を埋める場所を探すために土を探した
そして雑草が生い茂る家の裏手の駐車場の片隅に
墓標のない小さなお墓を作った

なぜやもりは死んだのか

2006年10月28日 未分類 トラックバック(0) コメント(0)